百のぼんやり雑記帳

Twitter(@Centouno_101)で書き切れないことを書きたいときに使う場所。なんかアレ。

香水の話② ザタイム|現在

 またノーズショップで香水を買いました。

 今回購入したのは、The House of Oudの『ザタイム|現在』(本国表記:THE TIME)。ノーズショップで扱っているThe House of Oudの香水は基本的に容量が75mlのものだが、これは7mlサイズもあり、そちらを購入。私は「香水は現物を買って試したいが劣化させてしまう前にどうにか使い切りたい」という類の人間なので、日本でも7mlサイズを販売してくれるのはとてもありがたい……。

 

 こちらから購入。

ザタイム|現在noseshop.jp

 

 The House of Oud公式サイトでの説明ページはこちら。

thoo.it

 

 さて、以下はまたしても香水初心者のふわっとした感想です。

 

 最初の感想が「ああ、これは人気が出るのも納得」だった。だっていい香りだったもの!

 この『ザタイム|現在』はノーズショップ内で比較的人気がある香水らしく、香りの形容に「お茶のような」という表現が選ばれやすいようだ。ノーズショップの注目すべき取り組みとして、ランダムでミニサイズの香水を販売する「香水ガチャ」というものがあるのだが、その中のひとつ「お茶系香水」のラインナップにも含まれている。確かに、日ごろ馴染みが深い香りの分、それっぽいものを強く感じるような気がする。

 The House of Oud公式によると、香調はPeaceful floralとのこと。雰囲気は穏やかに明るめといったところで、しゃっきりとしてはいるものの、つんとしたきつさのようなものはほとんどない。形で表現すると角を丸く落とした八角形みたいな柔らかさと安定。性別や年代を問わずに使えそう。

 香りは……私の鼻ではまだちょっと時間経過による変化が分かりにくいかな。プッシュ直後に「お茶かな?」と感じる香りが来て、数秒後に柑橘のさわやかさが軽く続き、その後は全体的にやや甘みのあるお茶っぽい香りが持続する。少し集中すると奥に木や草の青い香りが広がっているのが分かる(それが香りの要素にあるワームウッドやバーベナなのかもしれない)。

 ノーズショップもThe House of Oud公式も説明文で日本の茶道に軽く触れており、そういうインスピレーションを内包した香水なのだろうとは思う。ただ、私個人は、茶道というよりも、木々に囲まれた静かな庵で座禅や瞑想を行っている誰かの姿が頭の中にすっと浮かんでくる。哲学的な物思いに耽る姿、でもいい。過去に購入して「一人の香りではない」という感想を書いた同ブランドの『ワットアバウトポップ|おいしい香り』に比べると、こちらは個の香り(といっても、完全に孤独なわけではない、世界との繋がりを知っているし知ろうとする個の香り)に感じる。社会よりももっと前、原始的な、内なる何か。混沌たる俗世からひとり離れて、深く呼吸し、感覚を研ぎ澄ませる一瞬。そんな印象。

 この香水の日本語名(二つ名?)は『現在』。改めて見ると、なるほどこれは「現在」と呼ばれる時間の香りだろうなあ、と思う。少なくとも過去や未来よりは現在。こうなると同じブランドの『ジャストビフォー|過去』と『リブインカラーズ|未来』も試したくなってくるね……。

 かなり大きな主語を取る書き方をするけれども、日本人は割とこの香水を好きになりやすいんじゃないだろうか。季節や場をそう選ばず使えそうな香りで、受けがよさそうでもあるし、嫌悪感を抱かれにくそうでもある(私は、日本という国で香水を使うのなら、この「嫌悪感を抱かれにくい」は重要な要素だろうと思っている)。奇妙なことに、自分で「座禅や瞑想のイメージが強い」なんて書いておきながら、実際に使うなら休日用よりはデイリー用にしたいと感じる香りでもある。

 うん、香水、楽しいな……楽しい……。

 音楽や食事や創作作品もそうで、自分の奥にある感覚へダイレクトに訴えかけて「私はこう感じた」の抑えられない高まりを引きずり出してくれるものに出会えることは本当に楽しくて、貴重で、何より嬉しい。特に香りに詳しいわけでもないので好き勝手に「私はこう感じた」を書き殴っているけれども、こういう時期こそ一番楽しいのかもしれない。