今年購入したNintendo Switch用ゲームソフトについてのメモ(2021年12月24日時点)。クリアしたものに関しては、紹介とちょっとした感想も。
数を買った割にはクリア率がかなり低いなあ……来年は新しい作品を買うより前にそれぞれの作品をきっちりしっかり遊んでいきたいところ。まずは年末年始セールの誘惑に勝たなければ。
クリアしたゲーム
『When the Past was Around 過去といた頃』
コミック調のヴィジュアルが穏やかに美しい、短編ポイント&クリック式パズルアドベンチャーゲーム。恋人を喪った主人公の女性エダの過去と心の動きを追っていく。
パズルそのものの難易度は低めで、多少詰まっても数時間あればクリア可能。控えめなヒント機能も存在している。
ヴィジュアルだけでなくBGMも総じて素晴らしい作品。音楽は物語においても重要な位置を占め、同じメロディのアレンジを繰り返し用いる手法とエダの感情が柔らかくリンクする。この作品を無音でプレイするのは実に勿体ないというもの。サントラの配信が嬉しい。
『The Stillness of the Wind』
農場にひとり暮らす老女タルマに残された残り少ない時間を体験していく作品。
老いたタルマの動きはとても緩慢で、彼女の日々もまたゆるやかに過ぎていく。鶏や山羊の世話をしたり、のんびりチーズを作ったり、家の前を通ってくれる行商人と物々交換したり。ときおり届く手紙からは離れた世界で起こっていることを断片的に窺い知ることができる。
彼女の結末を見届けたとき、『The Stillness of the Wind』というタイトルの意味を深く考えさせられる作品。私はこの作品をゲームと呼ぶことには何故か少しの抵抗がある。
『My Hidden Things』
短編もの探し系ゲーム。必ずしも探すべきものそのままが画面の中に存在するわけではなく、絵の一部を分解して動かしたり組み合わせたりすることでアイテムを見つけていくスタイル。
白黒のみで描かれたアートは全体的にかわいらしい雰囲気で、音楽も落ち着いた雰囲気だが、描かれている人々の内面はさまざま。中には「仄暗い」という表現では到底済まないものも含まれる。
ゲームジャンル上プレイにほぼ支障はないものの、若干日本語訳が不十分(または文字の大きさの関係でテキストが入り切っていない?)と思われる箇所がある。
『G-MODEアーカイブス33 TETRIS® DIAMOND』
テトリスにクリアも何もないような気がするけれども、一応こちらに。
かつてフィーチャーフォン用アプリゲームとして配信されていた『TETRIS DIAMOND』をSwitch用ソフトとして復刻させたものらしい。
テトリスのような「自分にとってたまに無性にプレイしたくなる軽めのゲーム」が1本入っていると、それを足がかりにして他の作品にも手をつけやすくなることに気づいた。私がなかなかゲームをプレイできないのは、体調が悪かったり時間がなかったりという理由が大きいものの、ただゲーム機の電源を入れることが億劫なだけというケースもそこそこ多いのである。
『イソーローマズ』
これは……ゲーム……だろうか? インタラクティブな粘土のストップモーション作品というべきかもしれない。
1周当たり10分もあれば終わる小さなホラー作品。色使いもモチーフも粘土の質感を活かしたべったりと重い陰鬱さに満ちており、作中のすべてのことは何ひとつ言葉で語られない。端々に見える要素から、創作の根幹にあると思われるものについては何となく想像ができるが、言葉を変えれば想像することしかできない。
ゲームと呼んでよいかすら分からない作品ではある。でも私は好き。発売直後、ストアの新着作品の中にアイコンを見つけ、何故か目を離せなくなり買っていた1本。
『HADES』
数多くの賞を獲得したローグライク・アクションの傑作。冥王神ハデスの息子ザグレウスが抑圧的な父親を厭い冥界からの脱出を目指す……という、ギリシャ神話をモチーフとした家族物語(もちろん「HADES設定」とでもいうべきアレンジはあるけれども)。
ゲームジャンルはローグライクだが(この作品の場合は「ローグライト」でもいいと思う)、神の息子たる主人公ザグレウスは倒れても家であるハデスの館に戻されるだけで、今までの挑戦の記憶はプレイヤーだけでなくザグレウス自身からも失われない。また、館にいるキャラクターたちの台詞にも戻るたびに細かい変化がある。倒れても得られる変化の多さによって失敗と喪失の苦痛を感じにくく、なおかつ膨大な数の台詞によって各キャラクターへ愛着を持てるようになっていく、物語とシステムの融合が美しい。
全方位に完成度が高く、日本語訳も完璧でない部分こそあるもののプレイには支障のない範囲。今年初めて遊んだゲームの中で未クリア含め最も面白かった作品はどれかと訊かれたら、私は即座にこの『HADES』を挙げる。燦然たるナンバーワン。
『新すばらしきこのせかい』
2007年にDS用ゲームとして発売された『すばらしきこのせかい』の続編作品(厳密には、アニメ版である『すばらしきこのせかい The Animation』の設定準拠の続編)。
バトルはDSの2画面を使用するシステムから一新されているものの、多くのボタンを駆使するプレイの忙しい楽しさは奇妙に懐かしい。最高の音楽も健在。
実を言うと、私にとって初代たるDS版『すばらしきこのせかい』は人生における特別なゲームで、ゲームという分野でのある種の聖域であり、続編に関してはむしろ出なくていい派だった。そんな身でも、実際に遊んでみて「自分にとっては面白かった、好きだ」と言える続編だったことは本当に嬉しい。ただ、DS版を知っていると、それと比較しては詰めが甘いと感じずにはいられない箇所も多く、もしアニメ版でなくDS版準拠の続編だったとしたら私の中での評価は大幅に下がっていたであろう作品でもある。
この作品については、よくも悪くも語りたい。めちゃくちゃ語りたい。あとサントラがたくさん売れて欲しい。
『DELTARUNE Chapter 1&2』(一部ルートのみクリア)
正確には「購入」ではないけれども、こちらに。
ゲーム『UNDERTALE』をプレイ済みのユーザーを対象とした作品。まだ完結はしておらず、Chapter1とChapter2が無料で配信されている。ゲームジャンルは『UNDERTALE』に引き続きクラシカルなコマンド式RPGにシューティング要素が混ざった感じ。今作では最大3人のパーティ制となり、攻撃をすれすれで避けると溜まるTP等の新要素も出てくる。
プレイヤーが操作するキャラクターはクリスという名のニンゲン(人間)で、私はこのクリスの精神性が気になりすぎてChapter3以降が待ち切れない。クリスについて考えていたら目が冴えて眠れなくなったことがある。クリス……。
ちなみに、このゲーム、原文は英語なのだが、Chapter2に登場する某キャラクターの台詞の公式日本語訳があまりにも秀逸(※個人の感想です)。ある意味では原文を超えてしまっているかもしれない。永く語られて欲しい翻訳。
『There Is No Game: Wrong Dimension』
「残念な知らせがある。実は、ここにゲームはない」
ロシア訛りの声によるそんな宣言から始まる、ユーモアとパロディとメタフィクション要素満載のポイント&クリック式アドベンチャーゲーム非ゲーム。
パズル部分は奇抜さとお約束の両方を持ち合わせており、常識に囚われずとりあえず試せそうなことは何でもやってみるくらいの柔軟さが必要だが、実のところ最終的には解法そのものまで教えてくれる段階的ヒント機能もあるので心配はご無用。自然な日本語訳も、このゲーム作品においては没入感を高めてくれるという点で特にありがたい。
5時間くらいの、楽しくて、型破りで、ちょっぴり泣けるゲーム非ゲーム体験。
「そう、ゲームはないんだ。でも…これ内緒な。…返金請求しないでくれるか?」
プレイ中のゲーム
『Despotism 3K』
『スーパーマリオ 3Dコレクション』
『Figment』
『すばらしきこのせかい -Final Remix-』
『Slay the Spire』
まだ起動していないゲーム
『Hollow Knight』
『Dark Grim Mariupolis』
『Dull Grey』